第一回 「僕とおやじ」
いきなりで何ですが僕はパチンコが大好きです。 いや大好きと言うより熱狂的信者と言ってもいいくらいです。 僕を熱狂的信者にさせたパチンコとの出会いは、今からさかのぼる事 22年前、6才の時だったと思います。 おやじと一緒に銭湯に行った帰り道でした。 おやじが僕に 「お菓子買うたる」 と言って僕を自転車に乗せ、家とは 反対方向の駅前に向かって自転車を走らせました。 そしてパチンコ屋の前まで来て 「お母さんにはナイショやぞ!」と釘を さし中へと入って行きました。 その当時のパチンコは、手打ちが主流だったので、僕もおやじの横で パチンコ玉をもらい遊んでいました。 結局僕は、おやじにお菓子を取ってもらえず、自分の力で袋一杯 のお菓子やチョコレートを取りました。 家に帰り、お母さんにバレたのは言うまでもありません。 あれから22年、パチンコ屋に通うのは、あの時のチョコレートがほしい からかもしれません。 ウソです。 って言うか、もうチョコレートはいいから勝たせて!!!
第二回 「Mさん」
昔、僕は夜中のファミレスでバイトをしていた。 そこの人達は、みんな個性的な人達だったが、今でも友人との話題 にのぼる人がいる。 Mさんである。 どういう人かというと、競馬好きでダイヤルQ2好き(女好き)、 ロマンチストなのに不潔、ダンディーだけど住まいはスズキの アルト、そして100万jの笑顔の持ち主と言う人間臭い人だった。 そんなMさんは、よく自分の夢の話を僕にした。 「オレな将来、北海道で牧場したいねん」 「へぇー、いいですね」 「ええやろ」 「いいですね」 「馬好きやからなー」 「ホワイトストーン、牧場で飼いたいんと違いますん?」 「最高やな(笑)」 そして何年かのち、このファミリーレストランはつぶれたのだが、Mさん の乗っていたアルトだけが何ヶ月も駐車場に止まっていた。 あれからMさんが牧場をはじめたという話は、まだ僕の耳には 入ってこない。