「天守閣に」
文:旭堂南青
 
▲精華小学校にて


「泉鏡花の天守物語に出てくる、姫川図書之助の講談ってあるんですか?」「・・・ありますよ!僕の得意な話です!」

※旭堂一門では、どんな聞いた事無い話でも「あります、お家芸です」と言い切る事になっている※

「しかし『ひめかわずしょのすけ』って何や?」と思いながら、まずは天守物語を読んでみると、姫路城天守の守り神、美しき妖怪の富姫、若き侍の姫川図書之助の恋物語。
とりあえず鎌倉・室町・戦国人名辞典を開き探してみるが、もちろん姫川図書之助の文字は見当たらない、「鮎川図書之助というのはあるねんけどな、でも埼玉県の人で、生没年不詳やし、天守物語は戯曲やから・・・アカン、兎に角、姫路城へ行ったら何か手がかりが掴めるかも知れへん」と、最寄駅から姫路まで電車で行く、途中三回居眠りをしたが、三回目に起きてもまだ着かない。
「あぁ遠い・・・」と思いながらもようやく到着、駅から世界文化遺産国宝姫路城へ向かって歩き、まず目に付いたのが、入場料・大人六百円。
このまま帰ろうかと思ったが、勇気を振り絞り入場料を払って中へ入る、やはり国宝だけあって、外国の観光客が目立つ、天守閣はどう行けばいいのか、看板を見ながら迷っていると、外国人夫婦から「テンシュカクハ、アッチデスヨ、ココカラガチカイデス」と片言の日本語で話し掛けられたので、思わず「センキューベリーマッチ」と片言の英語でお礼を言う。言われた通りに最上階の天守を目指すと長壁神社があり「あ、ここや、ここで二人は出会った事になって云々」色々と見て周り、想像を膨らませながら、本丸を出て、二の丸、西の丸辺りをブラブラしながら出口を探して、看板を眺めていると、姫路城の係員のおばちゃんから「天守閣はあっちやで、ここから行ったら近いで」と声を掛けられた。
余程、僕の顔は天守閣に行きたそうにしていたようだ。
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