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「雀松ナンバーワン」
文:小佐田定雄(落語作家) |

▲桂雀松氏(写真左)小佐田定雄氏(写真右)法善寺にて
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落語家に限らず、芸人さんには「光り輝く時期」というのがあります。例えば、昨今の桂雀松さんが、まさにその時期を迎えているのです。ご存じ桂枝雀さんの三番弟子。兄弟子に南光さんと雀三郎さん。弟弟子に雀々さんというかなり濃厚なメンバーが控えている、一門の「第三の男」なのです。
その「第三の男」が、ついに「ナンバーワン」の位置に躍り出てきたのです。
なにが「ナンバーワン」なのか?
第一に「登場人物のかわいさ」。あの四角い顔をちょっと傾けて「ウフッ」と微笑むと、高座いっぱいにハートマークが乱れ飛び、客席の婦女子は母性本能をくすぐられてコロリと悩殺されてしまいます。
第二に「フレーズのオシャレさ」。聞きなれたはずの古典落語も、雀松さんの口にかかると、とてもキュートでクールな台詞で彩られた新鮮なストーリーに変身するのです。
第三に「笑いのセンス」。爆笑王の師匠のもとで鍛えあげ、研ぎ澄まされ、洗練されたほどの良さは天下一品なのです。
この三つのナンバーワンが結実して、一昨年度の文化庁芸術祭では優秀賞を受賞。昨年は、上方落語の中で最大のスケールを誇る『地獄八景亡者戯』を初演するに至ったのです。
最近は文楽の豊竹英大夫師のもとで義太夫のお稽古に励み、大蔵流狂言の茂山千五郎家の人たちと「お米とお豆腐」というユニットで競演している雀松さん。落語と狂言を合体した「落言」という新しい芸に取り組んで成果をあげつつあります。
いいことづくめの雀松さん。今年はコツコツ続けてきた勉強会「雀松向上委員会」が二月十五日に第五十回を迎えることになりました。ゲストに「帰って来た笑福亭」...鶴瓶さんをお招きした記念公演は、早々に前売り券完売となりました。
ホットなクールガイ・雀松さんの落語を、いま見逃したら一生の不覚ですよ。
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この度、インフォメーションの文章を書いていただきました、小佐田定雄さんとは・・・
落語作家。昭和52年に桂枝雀に新作落語「幽霊の辻」を書いたのを手始めに、新作や滅んでいた落語の復活などを手がける。これまでに書いた新作は、『貧乏神』『茶漬えんま』『神だのみ』『狐芝居』『マキシム・ド・ゼンザイ』など200席近い。
2月15日第2回TORII浪曲席にトークゲストで出演決定!お楽しみに! |
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★おまけ
TORII HALLインフォメーションの写真の撮影中に大阪プロレスのくいしんぼう仮面とえべっさんに出会いました。
雀松さんと大阪プロレスの夢のスリーショットいただきました!! |