TORII HALLのなりたちをじっくりとひもといていきます。



昭和29年頃より、夕刊紙「新関西」に名前をもじり「心閑彩」のタイトルで長期にわたり連載。
人気のコラムであった。

「くらべものにならん」
(昭和40年5月4日 「新関西」掲載)
 ともかせぎの若い夫婦があった。
ある日、サラリーマンの夫が妻の働いているマーケットの経営者に面会をもとめ、深刻な顔をして訴え出た。
「家内の職場をかえていただくわけにはまいらないもんでしょうか?」
「どういう理由かしらんが、あんたの奥サンはソーセージ売り場でしたな」
「だから困るんです。あの売り場にはでっかいゴールド・ハムなんかも置いてあるでしょう」
「それが、どうかしましたか?」
「貧弱だ貧弱だって、夜ごと、ぼくをバ倒するんです」




「棒」
(昭和40年5月2日 「新関西」掲載)
女子寮の女の子たちがキャッキャッきょう声をあげて、若い夜警の男のへやに侵入してきた。
彼は、タクマシイ部品を所有していることで、寮内の評判になっている男であった。
 「なんの用かね。お嬢サン方大ぜいそろって・・・」
「あたしたち輪投げあそびをしたいんだけど、あいにく棒をこわしちゃったの」
「じゃ、このオレに棒の修理をしてくれといわっしゃるのかね?」
「ウーン、修理なんかいいワ。ベッドに横になってもらえばいいのよ」




「バカにするな!」
(昭和40年5月3日 「新関西」掲載)

パトロン氏がアパートに電話をしたら、かんじんの彼女がいないで、電話ぐちに出たのは若々しい男の声だった。
パトロン氏は、フン然としていった。
「あんたはどなただね?」
「あれのおやじでございます。きょう、クニ元から久しぶりに娘に会いにまいりましたんで・・・ヘイ」
「フーム、しかし、彼女のおとうさんにしちゃ、まるで青年のような声だな」
「それがワシが早婚だったもんでいまだって娘とは、兄妹のようにしかみえないって世間じゃ、そう申すんでございますよ」「じゃ、いくつのときのお子サンなんだね?」
「たしかワシの三つのときの・・・ヘイ」


「それほど長くは」
掲載日不明
彼のモチモノの長いことは、仲間うちでも有名であったが、ある夜、女房と寝ていると、夜半、しきりにたぐりよせて力いっぱい引っ張っている者がある。
 彼は、あまりの激痛に堪えかね、思わず目をさまして叫んだ。
 「い、いてえッ!一体、ナニをするんだッ」
すると、かたわらで横になっていた女房が、寝ぼけ声を出してつぶやいた。
 「アーラ、あたし夢みてたワ。だって、お家が火事になっちゃったんで、あわてて手近にあったホースをワシつかみにして、水をぶっかけてる夢を・・・」


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