ロンドン通信VOL.5 「フットボール中継」
ロンドン通信
Vol.1 「ブラッド ブラザーズ」
Vol.2 「ダイアナ妃」
Vol.3 「公園その1」
Vol.4 「公園その2」
Vol.5 「フットボール中継」

Vol.6 「イルミネーション」

Vol.7 「カウントダウン」
 
◆ 写真1
フットボールの聖地ウェンブレースタジアム

◆ 写真2
ゴールと観客席が近い!

 
 
 
イギリスのテレビはスポーツ中継がとても多い。日本も多いが確実にそれより多い。その日は何気なくフットボール中継を観ていた。
地元チームのA選手がパスを受 けボールを追っていた。ボールがラインから外に出ようかという時、後から追って来 た相手チームのB選手がA選手の背中を強く押した。A選手はかなり派手に横転した。
カッとなったA選手は、立ち上がるなり素知らぬふりで歩いていたB選手に背後から襲 いかかり両手で首を絞めながら揺すりはじめた。B選手も応戦したので2人は揉み合いとなった。  
その時!A選手のチームの別の選手(あとで分かったが彼はキャプテンだった) が、揉み合う2人に遠くから突進してきた。
両チームの選手たちもみんなかけこんで きた。次の瞬間、私は日本のプロ野球でしばしば見られる、両軍入り乱れての大乱闘 に似た光景が展開するんだろうなと思った。
しかし!それは見事に外れてしまった。  チームメイトであるA選手を加勢するために突っ込んできたと思われたそのキャプ テンは、何とそのA選手に飛びかかり彼の胸をドン!と強く突き飛ばしたのである。 私は一瞬目を疑った。自分のキャプテンに突き飛ばされたA選手は、かわいそうにま た尻もちをつき半泣き状態(に見えた)だった。キャプテンはB選手に歩み寄ると、 詫びるような態度でポンポンと肩をたたき握手を求めたのである。これには興奮して いたB選手も怒りを収める以外になく、笑顔を見せてキャプテンに頭を下げた。B選手 が去った後、キャプテンは半泣きのA選手に歩み寄り、彼を抱きかかえると頭を何度 も撫でながらフィールドに帰っていったのだ。
何てかっこいいんだ。キャプテンの鏡 じゃないか!  私は一連のこの展開にとても感動し、同時に日本のプロ野球の乱闘がたいへん醜く 思えてきた。
日本の場合、自分のチームの選手に非があると思われる場合であっても、監督はじめチーム全体がその選手の味方になり相手選手と対立します。
「今のトラブルはお前が悪いんだから相手の選手に謝ってこい!」なんて自分の選手に言った 監督を今まで見たことがありません。
なんてイヤな体質なんだろう。  
余談ですが、私は中日の星野監督なんて最低だと思っています。鉄拳制裁や審判へ の暴行(それが自己演出のためであるとしても)を平気で行うような人がスポーツマ ンと言えるでしょうか
まあ個人的にお付き合いした場合は、優しくていい人のよう な気がするんですが・・・
とフォローしておきます。(2000 11/10)